児玉清さんを偲んで

先月、児玉清さんが逝かれた。

ご自身のエッセイ『負けるのは美しく』の中で、9年前に享年36歳という若さでこの世を去った娘さんについて触れられているのだけれど、児玉さんが冒されていた病気は、奇しくも娘さんと同じ胃がんであった。

以前このブログでも『負けるのは美しく』を紹介させていただいたが、児玉さんは僕の憧れの存在。児玉さんの出演されていた『週間ブックレビュー』を毎週欠かさずみていたし、著作である『負けるのは美しく』や『寝ても覚めても本の虫』を読み、児玉さんが出演されていたトーク番組で万年筆を使っていると知るやいなや急いで購入し、必死でノートに字を書き殴った。児玉さんのあのスマートなトークや演技がみれなくなると思うと非常に寂しい。

先日、いつも聴いている爆笑問題のラジオ番組で、ある印象深い川柳が紹介されていた。

「まだ耳に アタックチャンス こだまする」

あの力強く拳を握りながらの名文句は、きっと児玉ファンの記憶に刻み込まれているに違いない。

児玉さん、安らかに。