『音楽私観①』

音楽私観①



なかなか更新できないんでmixiで書いているものを転載しま〜す、てか誰か読む人いるのか??



大層なタイトルつけて誰が読みたいんだ?なんて言われちゃいそうですが、、何となく自分の今までの接してきた音楽に対する音楽観について考えてみようと思いたちまして、なんちゃってエッセイ風に書き下ろしてみたいと思います。



1.覚醒
自分の少年期(おもに小学生)と言うのは、まさに80'であり、世の中はバブル経済、ロス・ソウルと二つの五輪をリアルタイムに目撃している世代である。
その頃、巷で流れる音楽はと言うと、アイドル全盛で松田聖子、マッチ、中森明菜…。アメリカではシンディローパーやマドンナ、ハードロック・ヘヴィメタ界も隆盛を極めていたはずである。この頃は今聴いても分かることではあるが、サウンド自体が電子音を駆使し、全体的にリバーブ深めのまさにキラキラとしたバブリーなサウンドであった。
自分は間違いなくこの時代に相当影響を受けていると思う。
ちなみにファッションと言えば、女性は眉毛太く、ワンレン・ボディコン、男性は異常なまでに肩パットの入ったジャケット、細過ぎるまでに細いスリムジーンズ、勿論シャツはイン。



音楽番組の主流と言えば恐らく紅白(NHK)ベストテン(TBS)トップテン(日テレ)夜のヒットスタジオ(フジ)等であった。
紅白を除けば今となっては実に懐かしい響きである。



さて、自分が本当に音楽を音楽として聴こうと思ったのはいつ頃からか紐解いてみると、思い当たるに中村あゆみ工藤静香あたりではなかろうか。

中村あゆみは「翼の折れたエンジェル」で大ヒットを飛ばしたハスキーでパワフルな声が特徴の女性ロックシンガーである。のちの小比類巻かほる久松史奈田村直美久宝留理子等に代表される女性ロックシンガーと言うジャンルの先駆けとなった存在である。(勿論それ以前にも先人はいたわけだが)
工藤静香といえば言わずもがな、ここ数年日本芸能界のトップをひた走るキムタクこと木村拓哉の奥方である事は言うに及ばず。しかし当時の工藤静香は現在のスマップ人気を凌ぐほどの人気アイドルグループ「おニャン子クラブ」の中心的存在であった。工藤静香おニャン子にあって他の追随を許さない人気の理由にはアイドル然としたルックスのみならず、その独特のキャラクターと、それとは相反する抜群の歌唱力を持っていた事に他ならない。(歌唱力において「あじさい橋」など演歌を歌う城ノ内早苗はある意味別格であったが)
当時はこの二人をはじめ、ベストテンやトップテンに出てくる歌唱力のある、声質に特徴のある歌手をテレビやラジオで好んで聴いた。当時はアイドル、俳優、タレントなどの棲み分けが今ほど細分化されてはなく、歌って踊って芝居する人気アイドルは多かった。果ては運動会や水泳大会まであった。



そんな折、いよいよ我々世代では忘れる事の出来ない「光GENJI」ブームが訪れるのである。
この時、小学校ではかなりの子供達がパラダイス銀河、スターライト、ガラスの十代等を口ずさみ、クリアファイルタイプの下敷きには切抜きを入れ、駐車場でローラースケートを練習したものである。それ程にみんな光GENJIに熱中していたと記憶している。勿論自分もご多分に洩れず空前の光GENJIブームに迷う事なく乗っかっていた。
現在の絶大なるジャニーズ人気はこの頃の光GENJIによって確立されたと言っても過言ではなかろう。ただ、今メンバーは何処へ…。



ところが、5年生の時だったと思う。ある日、何かのテレビ番組であったかCMであったかで、ある英語の歌が流れた。いまだかつて聴いた事のない高い声と独特の歌い回し。そして、後日それを歌ってるのが「スティービーワンダー」と言う盲目の黒人シンガーであると言う事を知った。
その日からどうしてもその人の歌を聴きたいと言う欲求にかられ、初めて親とレコード屋さんに行った。当然彼のコーナーがあった。そのテレビで聴いた曲が入っているものが欲しかったが曲名がわからず(後に「Parttime lover」と言う曲であった事が判明)とにかく聴きたいと言う一心でCDを買ってもらうに至る。
しかしながら帰って気づいた、うちにはCDプレーヤーがなかった。大人は非情である。近づいていたとは言えクリスマスだったか誕生日まで、そのCDは音の出ないただの小さなドーナツ版であった。
わりと短期間ではあったが、目の前に餌をつられながらお預け状態、垂涎の日々を過ごし、ようやく念願のCDラジカセなるものを手に入れた。
今思えば、その時買ったアルバムと言うのは「characters」と言うわりとマニアックなものであったが、1曲目の「you will know」を聴いてテレビと同じ声が聴けた事にえらく感動し、背中がゾクゾクっとしたものである。しかも曲を聴き進めると、かの有名なマイケルジャクソンまで参加していて、これまたテレビでしか聴いた事のなかった声が期せずして聴けてしまった。
ティービーの事についてはまた後で述べたいと思う。


斯くして、これが現在に通ずるある意味音楽と言うものを真剣に意識して聴いた事であると同時に、初めて音楽に目覚めた体験となった。



その初めて買ったアルバムは勿論今でも健在で、自分にとっては宝物であり、CD棚の中でジャズの名盤やロックの名盤と並んでいてもひときわ光放つのであった。


つづく…