『Lean into It』 MR.BIG
90年代のハードロック界における金字塔。
僕が高校時代、擦り切れるほど聴き、コピーしまくったアルバムである。
当時のハードロック界は、ヴァンヘイレンに端を発しイングヴェイマルムスティーン等で隆盛を極める80年代を象徴する所謂「テクニック至上主義」も終焉を迎えつつあり、ファンはそれを踏襲しながらも別の何かを求めつつあった。
そんな中に登場したスーパーバンド、MR.BIG。
ギターのポールギルバート、ベースのビリーシーンを二枚看板にスーパーテクニックを持つミュージシャンが放つ、ポップでキャッチーで何か70年代の匂いも感じさせる上質で新鮮な楽曲たち。
このアルバムは、それまでの不良、破壊、ドラッグ、アルコール、女、裸に革ジャン・・・、そんな僕の偏見に満ちたハードロックのイメージを払拭してくれた。
やはり、全米チャートNo1を記録した「To be with you」は秀逸。
個人的にはオープニングを飾るアップテンポでハイテクな「Daddy Brother〜」
絶妙なライトハンド奏法で始まるイントロが印象的な「Greentinted 60's mind」
珠玉のバラード「Just take my heart」はおすすめ。
ここ最近、ひと頃に比べ勢いのなさを感じざるを得ない、ハードロック業界。
このアルバムにも復活のヒントが隠されているのかも知れない。
ちなみに、同時期のファーストアルバム「MR.BIG」ライブビデオ「サンフランシスコライブ」も併せておすすめ。