『ケンコバ伝説〜星になった言葉たち〜』 ケンドーコバヤシ・著

お恥ずかしながら、僕は下ネタが好きである。

要するに、人によってはくっだらない話が僕は好きなのだ。



なのでケンコバは非常に面白い。くだらないが面白い。夜中に見るケンコバは8割がた下ネタだ。しかし、彼のレトリックは実に見事で、下ネタにもどこか含蓄があり、エロとかヨゴレとかと言うより、どこか文学的で、どこか哲学的で、なにか恥的ではなく知的なものを感じざるを得ない。そんな見事なケンコバの名言集が本書なワケである。勿論、ここには書けない言葉が沢山載っているワケであるが、ようは様々なメディアでの発言を集めたもので、どこかの番組で聴いた事のあるフレーズもいくつかあった。数ページおきに出てくる彼のヌード写真も笑える。



最近思うが、やはり僕はくだらない事ほど笑ってしまう事が多い気がする。先日もオリンピックの棒高跳びを見ていて実況の人の「バーが折れましたね」を「歯ぁが折れましたね」と聞き間違い、暫くしてその選手が前歯全開の笑顔でカメラに手を振っている姿が映し出され、自らの間違いに腹を抱えて笑ってしまった。そう言えば「歯ぁ」と言うのは関西だけだ。シモなネタに限らず、きっと人間は本質的にくだらない事が好きなのだろう。まぁ何であれ、笑えると言う事は良い事だ。ハイレベルで、ハイセンスで非常にくだらないものがお好きな人に読んでみていただきたい。ゆっくりでも30分もあれば読める程度の量。ちなみに帯の推薦コメントで関根さんが書いてる愛情たっぷりのコメントも素敵だ。笑




ケンコバ伝説〜星になった言葉たち〜』

ケンドーコバヤシ・著

★★★★☆