偏狭・近況 5月版

奈良⇒
でライブしたのは何年ぶりだっただろう。奈良の若手オルガン弾き、沼澤さんにお呼ばれして楽しい時間を過ごさせていただきました。予想以上にファンキーなナンバーが多くてジャズは控え目。沼澤さんの力強いHIPなサウンド、若手美女ドラマー福田さんの女子的に繊細かつ軽快なリズムに乗っかって、ボクは好き放題弾かせていただいた感がたっぷりで、しかもお客さんも温かく、奈良という悠久の都の懐の深さを感じる素敵なひと時だったワケです。そんな奈良が誇るユルキャラの代名詞、遷都くん。

GW⇒
は、ちょいと帰郷。目的の9割は悪友のKと飲むためだ。駅に着くと間髪入れず適当な居酒屋へ直行。そして勿論「とりあえず生」は常套句。話しはまず今お互い凝っているカメラの話題から始まる。予想通りKはマニアックなことになっていたわけです。居酒屋のテーブルにお互いのカメラを出してファインダーを覗いたり露出やらレンズやらのキモーい話し(笑)その後は今や我々の中で定番化しつつあるオッサンの居酒屋談義よろしくソフトに世相を斬り、仕事や政治の話しやら。ここ数年、東国原知事の支持率ほどもあった我々の会話における下ネタの割合が麻生さんの支持率程度にまで落ち込んでいるのは少し淋しい気もする。これを大人の階段を上ってしまったせいにすると自分の中でH2Oの存在価値が危うくなるのでなるべく否定しておきたい。ただ、気付けば4軒もハシゴしてツヨシ君の軽く倍は飲んだであろう酒量に激しくボディブロウを打たれ、帰りのタクシーでは吐瀉物も禁じえない程の見るも無残な状態であったことを鑑みると、まだまだ自分が大人の階段を全くもって上りきれていないのだと感じられる、といったところか。次回はどんな飲みになるのか、お盆が楽しみだ。

オルガン⇒
弾きであるえりさんが長年続けてきた神戸にあるコーヒー井戸でのラストライブを見に行く前に、カメラのSNSで知り合った芸大生Nさんが入選した作品展を見に行く。巨大なキャンバスに描かれたその画は、深い青が印象深い抽象的ではありつつも何か鬼気迫るものを感じさせるような、とてもエモーショナルな秀作であった。少なからず若い人達の感性は、概ね経験やテクニックやロジックに裏打ちされ説得力に満ちた大人達の作品とは違い、良い意味で多少の不器用さを内包しつつも圧倒的な新鮮さとストレートな表現で訴えかける印象がある。かねがね思っているコトだが、必ずしも器用なコトは良いコトとは限らない。器用貧乏と言う若干ネガティブな言葉もあったりで。そして、勢いのある作品に触れると自分も初心を忘れてはいけないと改めて感じられる。芸術とは優れた技術や既存の様々な技法を知った上で、尚且つ独創的であり、かといって独りよがりでなく、はっきりした指針のない正体不明の「個性」と言うものを求められたり。科学とスピリチュアルじゃないけど、そんな両極にあるような概念の間で葛藤するもんなんでしょうかね。モノは使いようで、テクニックやロジックなんてのが没個性の要因にも成り兼ねないワケですから難しい。結局、芸術における知識なんてのは数学や物理の公式みたいに直接的な材料にするモノではなく、単なる思考における経験値のひとつって捉えた方が良いのかも知れないし。美術や音楽でも、よーく見てみると世の中には同じようなものが溢れていて、そんな中にある曖昧で微妙な差異によって評価が決まるワケですね。何を取り込み自分と言うフィルターを通して何を吐き出すのか。うーん、、難しい。。とにかくNさん、また素敵な作品楽しみにしています☆
で、えりさんのライブに向かう。実は客観的にえりさんのライブを見るのは初めてだったかもしれない、という程その演奏は新鮮で素晴らしいものだった。クラリネットの滝沢さんとの息もピッタリで、やはりライブとは良いモノだと再認識させていただいた。光栄な事にボクも下手なハーモニカで数曲参加させていただいた。久々にドラムの中嶋くんとの再会もあり、素敵な音楽と上質のコーヒーで至福の時間を過ごさせていただいたのでした。しばらくえりさんの演奏は聴けないことになるけど、また演奏再開出来るようになった折には是非ご一緒出来たらなぁ、と帰りの阪神電車に揺られるのであった。



パンデミック
といわれるほど猛威を振るう豚インフルエンザは、遂にわが国内でも拡大しつつある。しかもボクの住む関西で大流行の兆しを見せている。様々なメディアでその症状、対処法などかなりの情報は得る事が出来るのであるが、やはり免疫力の脆弱な未成年等の若年層への感染に最も気を配るべきなのだろう。
Save the children!!
職種によっては、この不景気に追討ちをかけるかのような事態なんだろうけど、なにか働きづめの日本社会へ対する警鐘のようなものなのかも知れない。ボクに働きづめという言葉は当てはまらないが、ボクの神戸でのレッスンも今週は休講が決まった。実のところ一番恐れるべきは、すでに日本社会がどっぷり感染しているであろうパンデミック化した資本主義経済なのかも知れないですね。そんな弱肉強食の世の中でノンキなこと言ってるボクのようなやつは、野生だとすぐライオンに襲われてしまう鈍感なシマウマみたいなやつなんでしょうかね。。仮にそうだとしたら、せめて逃げ足だけは速いやつでいたいものだけど。笑