『北野武 ニッポンの問題点を語る(下)』

先週の続きです。

北野武 ニッポンの問題点を語る(下)』
「政治とカネだって、相撲で問題になっている暴力団とのつながりだって、日本社会そのものが、なあなあでもってきたのは間違いない。メディアも、大きなものに対して闘うと言っている割には、広告主に対してはずいぶん弱気だったりしてね。最近はそれがばれちゃってるんで、メディアに対してみんなの意見が冷たいんじゃないですかね」
「映画の世界もひどいね。日本のアカデミー賞なんてのは、大手の映画制作会社の持ち回りだし、独立プロははじかれるんですよ。映画評論家も記者も、ときには悪口を書いたり、冷たいことも評論しなきゃいけないのに、宣伝したりほめる人間しか、映画会社は呼ばなくなっている。変な癒着があって、腐ってきちゃってる」
「政治もそう。政権交代のときにマニフェストが話題になってたでしょ。おれはね、高速道路無料化なんて絶対できないって言ったの。民主党のあの人たちを見て、どうしてできるんだって」
「鳩山さんはたとえば、町内で暴力団に金払っても町はうまくいってたのに「この町に暴力団はいらない」と言う町内会長みたいなもんだった。悪人になれなくて、ちっちゃな善人になろうとすると、みんなああいう轍を踏むんですよ。だって基本的に政治家ってのは、多数の人間を殺す可能性がある戦いにまで、主導権を取る人なんだから、小さな善なんて言ってる場合じゃない。大善人やるなら(インド独立の父)ガンジーやるしかないじゃないですか」
「おれがいろんな冒険をしてるように見えるのは、映画があったり、テレビがあったり、役者があったり、逃げ場所がいっぱいあるからですよ。こっちでいじめられたら、あっちの穴に逃げちゃおうと、いつも考えてる。それが冒険に見える」
「交通事故起こして以来、残り時間なんて全然考えないね。今日、もし余命一ヵ月と言われても、そのまま仕事やって生きる自信あるね。若い頃からなぜか、63歳くらいでくたばるかと思ってて、その年になったけど、ここんとこ仕事の調子のがいいんで、下手するとあと10年くらい生きちゃうかな」

コリコリと国語ノートに書き留めておきます。ペンだこはまだまだ出来そうな気配ナシです。。